研友会は東北大学金属材料研究所の同窓会とし、1932(昭和7)年に会員相互の親睦
及び学理と実際の普及を図ることを目的に創設されました。

 
研友会の始まり

 研友会は、昭和7年、本多先生を慕う弟子たちによって発足しました。下記の本多先生の祝辞は、昭和7年4月4日に東京・新橋駅楼上東洋軒において研友会の発会式が行われた時のものです。 
 本多先生を始め全国から多数の会員が出席されて、午後6時開会、挨拶、発会までの経過報告、本多先生の祝辞があった後、会員各自の振るった自己紹介に爆笑、研究所在所当時の気分を満喫した後、会則の審議、会長の指名、支部長の推薦等があって、盛会のうちに午後10時30分解散したとのことです。


祝辞
本多光太郎
 今夕、研友会の発会式に御招待を受け、茲に皆様に親しく御眼にかかる機会を得たのは私の大に欣幸とする所であります。金属材料研究所が創立されて以来、巳に13年になりますが、其間の或る期間、本研究所の職員として、或は研究生として研究に従事せられた方々で、現在、社会の各方面に働いて居らるる人が非常に多数に上り各地に活動して居らるる事は、本邦工業の為め真に慶賀に堪えません。
 今回、是等の諸君が寄集って研友会を組織せられ、お互の親睦と知識の交換とを計られるのは、真に結構な次第で、謹で御祝い申し上ます。金属に関する研究は、最近、異常の発展を為しつつありますから、会員諸君が時々会合して、或は、自己の研究を発表し、或は各国の新研究を紹介して、知識の交換を計らるる事は、諸君の発展の為めに必要なるのみにならず、また諸君の関係せらるる各種工業に取っても非常に有益な結果を持来することと考えます。
 終りに、諸君の御努力によって、今後、研友会が次第に発展し、大いに、本邦工業界に資せらるる様切望する次第であります。
昭和 744

会長挨拶

 
川添良幸
 仙台に生まれて75年、東北大学に入学してから56年になります。この間、どこにも移動・異動したことがありません。仙台と東北大学には思い入れがあるというか、それしかない私なので、まだ頭が働くうちに私の大事な古里である仙台と東北大学に何某かのご奉公をしたいと思っていたところ、研友会から会長を仰せつかりました。昨今、研究レベル低下が叫ばれる我が国において、材料立国復活に寄与できる様に頑張るつもりですので、よろしくお願いします。
 31年前、金研教授に雇っていただいた時の所長は増本健先生でした。同じ日に教授になった井上明久氏、小林典男氏と3名が一緒に所長室に呼ばれ、「これから20年あるから、大きなことを計画し、それを実現できるように努力すること」と言い渡されました。井上、小林とは違い、私は教養部の教師から途端に研究職になり、何もない状態からの出発でしたので、気楽と言えば気楽で、好き勝手をさせていただきました(後で知ったのですが、金研教授の間には3名同時に教授にするので1人くらいは失敗しても良いという共通認識があったとか)。その後、成果が出て国際会議に招待されたと所長に報告すると、何日留守にするのか?と聞かれ、1週間くらいですと回答すると、何を無駄なことをしているのかと叱られました。重要な研究をしているのなら相手の方が聞きに来るはずだと仰るのです。実際、増本先生は所長の時には、所長たるものいつでも所長室で対応するべきだと信念を持っておいででした。講義も金研の講堂でされていた程です。大教授と呼ばれるに相応しい本物の所長でした。見習いたいものだと今も思っています。
 増本所長、鈴木謙爾所長はしがらみのない私に頼みやすかったのか、教授になってから数年は研究以外の仕事は何でも私に回って来ていたようです。今の計算材料学センターは情報・広報室という名称で金研の業績集積・広報や電話・通信網の担当もしていました。金研だけ電話番号が215局なのは当時の名残で、75周年記念に当たって(今では当たり前の)24時間国際電話が出来る様にする、全研究室に計算機ネットワークを張る等の提案をし、担当させていただきました。電話交換機を購入し本多記念館に設置するほど経費がふんだんに使えたので実現できたのです。世界の金研というのだからeduドメインが欲しいと米国の担当であるeducourseと交渉しましたが、なかなか難しい状況でした。たまたま鈴木先生に連れられて天皇陛下(現上皇陛下)との食事会に出席させていただいたことをeducourseの担当者にメールすると、次の日にはimr.eduがもらえました。今も大事にキープしています。天皇陛下には「お父君は金研を訪問されておられるので、是非おいで下さい」と申し上げました。美智子妃殿下には「計算機シミュレーションで材料設計を始め、計算材料学と名付けた」と申し上げると、「あなた方は観念で仕事をしているのですね」とお返しいただきました。殺風景な数値計算も品格の高いお方にこう言っていただけると嬉しいものでした。ずっと励みにしています。他にも、東二番町にある本多記念館の標識は、広報室長として国土交通省と相談して立ててもらいました。毎年やるようになった片平祭は金研75周年の時に始まったもので金研発祥です。金研が東北大とは独立な組織となるとか、片平の材料系研究所を統合するという話を考える集まりに参加させていただいたのも懐かしい思い出です。
 その中で、研友会が本多記念会から切り離されるので、何とか運用を継続できるように考えることになりました。経費的支援がなくなるというのは大問題でした。何せ金研講演会等も本多記念会主催で講師の我々は謝礼をもらって参加しているほどの大スポンサーだったのです。本多先生を囲む会として発足し、本多先生を偲んで集まる同窓会としての研友会でした。本多記念会なしとなると、本来の趣旨だけでは成り立たないので、現役の人達にも加入してもらって業務を分担する、学生も会員とし卒業後も会員を継続してもらう、等の案がでて、今の会則となっています。しかし、任期制や国立大学法人化、さらには全学同窓会の萩友会の発足があって、研友会には逆風の限りという現状になってしまいました。さらに、コロナ禍で物理的に集まることさえままならない状況です。

 しかし、コロナ問題もワクチンや消毒などの対応手段が分かって来て、そろそろ物理的な集まりの復活が期待できる感じなので、会員の皆様が集まって楽しく過ごせる会を企画したいと思っています。現役の時に共融会茶道部に呼ばれ、色紙を書くことになり、共融会を研友会とごっちゃにして「茶味研味 未味友味」と書かせてもらったのを思い出しました(右が残っていた下手くそな色紙)。私は、何をするかより誰とするかの方を大事にしてきました。何せ座右の銘がトモダチ。何故カタカナなのかは十年前に定年のあいさつで説明させていただいた通りで、園山俊二の「はじめ人間ギャートルズ」でゴリラのドテチンが最初に覚えた言葉がトモダチなのです。教員も学生も、事務職員も企業の方も皆トモダチ。川添研は外国人ばかりみたいな時期もあったのですが彼らも皆トモダチ。おかげさまで今でも皆と連絡を取り合い、私が立ち上げたアジア計算材料学コンソーシアムACCMSとして研究を継続しています。金研に関係する全ての人が自由に参加でき、本多先生以来の研究第一主義の話から、思い出話や趣味の話まで楽しく語り合える場を作れれば幸いです。現役の人達の共融会との連携も模索すべきだと考えています。「共に融ける」は錬金術、冶金学。数種の金属を一緒に融かせば有用材料が出来る!我々も人間に対する錬金術を実施し、現在よりアップグレードした集団としての研友会になれれば最高だと思います。
現役教授及びOB/OG理事全員と、会員の皆様にご満足いただける研友会とすべく努力する所存です。よろしくお願いします。

 

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2020.06.05

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